欲張りバスツアーの最後の見学先は、江戸風鈴の「篠原楓鈴本舗」です。
こちらの二代目は江戸川区の無形文化財保持者・東京都名誉都民、三代目も数年前に無形文化財保持者に指定され、NHKの大河ドラマ「八重の桜」の初回に江戸時代の職人役で出演されたそうです。
ここでは、実際にガラスを吹いて自分で風鈴を作り絵付けもできる体験コースもあるのですが、今回は時間の都合で見学だけ。
三代目が電気炉でガラスを吹くところを見せてくれました。
先端のガラスを小さな玉(口玉)に吹き、さらにガラスをつけて風鈴本体にするのですが、玉にするのに3年、風鈴にするには10年の修行が必要だそうです。
試しに吹かせてくれましたが、素人が吹くと一瞬でこんな感じです。
出来上がった風鈴は冷ましてから口玉を切り落とし、鳴り口にします。
江戸風鈴は鳴り口を滑らかにせずギザギザのままです。
そのため、出来上がった風鈴は全て音が違う世界で唯一のものになります。
とは言っても、大して変わらないと思うでしょ?
三代目が出来上がったばかりの風鈴をいくつか鳴らしてくれましたが、本当に全然違うんですよ!
出来上がった風鈴本体は120個づつダンボールに詰められ、別室で絵付けされます。
雨に濡れて絵が痛まないように内側に油性の絵の具で描かれます。
ガラスの光沢も活かされて一石二鳥なんですね。
最近は透明な地に金魚や花などが描かれたものが好まれますが、元は魔除けに赤い地、宝船と松を描いて「宝を待つ」、カブと小判で「おいちょかぶで勝てるように」などが好まれたそうです。
私も伝統柄を購入。
これは武士が好んだ「椿」の柄(裏に寿)です。